情報商材詐欺とは?手口や返金方法を弁護士が解説

副業詐欺

絶対儲かる」「簡単に稼げる」といった大げさな表現を使い、購入者に高額な支払いを要求するのが情報商材詐欺の一般的な手法です。

「情報商材詐欺に遭った場合、騙し取られたお金は返金されるのか?」
「情報商材詐欺に被害に遭ったとき、弁護士に相談する必要があるのか」

このような疑問を抱く方は少なくないでしょう。

最初に知っておくべきことは、情報商材詐欺で騙し取られたお金は、返金(クーリングオフも含む)される可能性があるということです。

この記事では、情報商材詐欺の手口や返金方法についてご説明します。

情報商材詐欺の悪質な手口

情報商材詐欺は、計画的な手法で購入者の信頼と資金を騙し取ることを目的としています。

以下は、情報商材詐欺の一般的な手口です。

  • SNSからの誘導
  • 無料オファーから高額な情報商材へ勧誘
  • メルマガやステップメールの送信
  • ASPやアフェリエイトの活用
  • 偽の利用者の声や成功事例の掲載

これらの手口は初めは無害に見えますが、結果として購入者を大きな損失に陥れる可能性があります。

手口を理解することで、詐欺に早く気づくことができます。

SNSからの誘導

情報商材詐欺では、SNSを利用して多くの人を誘導する手口が一般的です。

X(旧Twitter)、Instagram、LINE、Facebookなど、人気のSNSを活用し、魅力的な情報や高額な収益の話題を発信します。

  • 「誰でもスマホだけで簡単に稼げる」
  • 「毎日〇分やるだけで絶対に儲かる」

こういった言葉は、情報商材詐欺によく使われる誘い文句です。

これにより、興味を持った人々を自身のウェブサイトやメーリングリストに誘導し、情報商材の詳細や購入手続きを促します。

無料オファーから高額な情報商材へ勧誘

情報商材詐欺では、無料オファーを通じて興味を引き、その後にさらに高額な情報商材への購入を促す時に用いられます。

無料オファーでは、魅力的な情報やノウハウの一部を提供したのち、「成功するためには有料商材が必要」といったメッセージが伝えられます。

興味を持った人々は無料オファーに参加し、情報商材詐欺のウェブサイトに登録情報を提供します。

その後、さらに高額な情報商材やコンサルティングサービスが提案され、さらなる成功や収益が約束されることがあります。

悪質な業者は、無料オファーを通じて信頼を築き、興味を持った人々を高額な情報商材に誘導して利益を得ようとします。

しかし、実際には情報商材の内容が不十分であったり、実現が難しいノウハウが提供されたりするケースがほとんどです。

メルマガやステップメールの送信

不正な業者は、提供している商品を魅力的に見せるために、メールマガジンやステップメールを頻繁に送りつけてきます。

最初のメールでは、商品の魅力や得られる利益を大げさに強調して、興味を引きます。

そして、その商品を購入すれば自分の生活がどれほど良くなるかを情熱的に語ります。

  • 強調された利益
  • 自分自身の成功の話

などがメールに記載されていますが、そのほとんどが事実でない可能性が高いです。

アフィリエイターからの紹介

情報商材詐欺では、ASPやアフェリエイターを活用し、自分の商材を多くの人々に広めることで、詐欺行為を行います。

ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)は、商材の販売や紹介を行う仲介サービスです。

アフェリエイターは商材やサービスを紹介し、その紹介で得られる報酬を受け取る役割を担っています。

このシステムでは、悪質な業者は自分の情報商材をASPに登録し、アフェリエイターに商材を広告してもらう形をとります。

アフェリエイターは、自分のウェブサイト、ブログ、SNSなどで商品を宣伝し、訪問者を情報商材詐欺の商品の販売ページへと誘導します。

訪問者がそのページで商品を購入すれば、悪質な業者とアフェリエイターには報酬が支払われる仕組みとなっています。

しかし、情報商材詐欺では、自分の商品が実際には価値のないものであるという事実を隠し、一見すると魅力的に見えるような情報で訪問者を誘い込みます。

そのため、訪問者は商品の内容を十分に理解せずに購入し、その後になって商品が期待したものとは全く異なることに気づくというケースが多く見受けられます。

嘘の成功事例の掲載

情報商材詐欺では、自身が販売する商材の価値を高めるために、架空の利用者の声や成功事例を捏造(ねつぞう)して紹介します。

これらの声は実在するかのように見えますが、実際には全て作り物であり、その目的は多くの人が商材を購入するように誘導することです。

  • 「この商材を使って数ヶ月で〇〇万円稼げた!」
  • 「この商材のおかげで夢だった海外旅行に行けた!」

といった声を掲載しますが、これらは捏造(ねつぞう)された架空のストーリーです。

また、画像やビデオを使って実際に成功したかのように見せる手法もありますが、これらの多くはインターネットから拾ったものか、あるいは自分で捏造(ねつぞう)したもので、真実の成功事例ではありません。

情報商材詐欺の返金に関する注意点

情報商材詐欺の返金に関する注意点をお伝えします。

  1. 返金にはスピードが重要
  2. 消費者金融への借金は返金が難しい
  3. 返金手続きは「司法書士や弁護士」の法的な専門知識が必要

これらのポイントを押さえ、被害に遭った際は迅速に法的なアドバイスを受けることが重要です。

返金にはスピードが重要

情報商材詐欺の返金は可能性がありますが、スピードが重要です。

契約からの経過時間が長くなると、以下のような状況になる可能性があります。

  • クーリングオフ期間の終了
  • 返金成功の確率の低下
  • 返金時の金額の減少
  • チャージバック(クレジット支払いの取り消し)の期限切れ
  • 販売事業者の会社の消失

消費者金融への借金は返金が難しい

悪質な業者に対する支払いに消費者金融で借り入れた場合、注意が必要です。

クレジットカードを使用した場合の返金対応には、以下の方法があります。

  • チャージバック(クレジット支払いの取り消し)
  • 支払停止の申し立て(クレジットカードの支払い停止)

しかし、これらの方法はクレジットカードに対してのみ有効であり、消費者金融には適用されません。

返金手続きは「司法書士や弁護士」の法的な専門知識が必要

情報商材詐欺に遭った場合、返金成功の可能性を高めるためには「司法書士や弁護士」に依頼することが有益です。

自力での和解交渉(返金交渉)は、相手である販売事業者が詐欺を認めず、返金が難しい場合があります。

特に証拠がない場合は一層厳しい状況と言えます。

しかし、司法書士や弁護士を代理人に立てることで相手の態度や反応が変わることがあります。

さらに、被害者本人の証言を基にした交渉経験が豊富な専門家が関与することで、より迅速で効果的な対応が期待できます。

ご心配やお悩みがあれば、当事務所にお気軽にご相談ください。

情報商材詐欺の返金方法

情報商材詐欺における返金の手段について詳しくご説明します。

  • クーリングオフの利用
  • 和解交渉(返金交渉)
  • チャージバック(クレジット支払いの取り消し)
  • クレジットカード会社へ支払停止の申し立て
  • 決済代行会社へ「返金・キャンセル」の依頼
  • 消費生活センターの協力
  • 司法書士・弁護士へ相談

これらの手段を活用して、被害を最小限に留めるためには慎重かつ迅速な行動が求められます。

クーリングオフの利用

情報商材詐欺に遭った場合、特定商取引法で規定されている条件を満たしていれば、クーリングオフを申請することができます。

まず、販売事業者に対してクーリングオフの申請を行いましょう。

申請した時点でクーリングオフは有効となります。

具体的な要件は以下の通りです。

  • 情報商材詐欺の契約が、クーリングオフの対象であること
  • クーリングオフの期間内であること

ただし、以下の理由から慎重な注意が必要です。

  • クーリングオフの申請期間が短い(契約成立後8〜20日以内)
  • 販売事業者からクーリングオフの妨害を受ける可能性がある
    ※解約の拒否、キャンセル料の要求、丸め込み行為

これがクーリングオフ申請の要点です。

和解交渉(返金交渉)

情報商材をクーリングオフできない場合、販売事業者との和解交渉(返金交渉)を進めましょう。

直接連絡を取り、解約や返金について話し合います。

和解成立すれば、全額または一部が返金されることがあります。

ただし、以下の理由から、被害者本人が和解交渉を進めても返金される可能性は低いと言えます。

  • 相手が情報商材詐欺を認めない
  • 巧妙な手口により詐欺の証拠がない

司法書士や弁護士を代理人に立てることで、返金される可能性が高まります。

消費生活センターへ相談することも有益なアドバイスを得られます。

チャージバック(クレジット支払いの取り消し)

情報商材詐欺の被害時の支払いをクレジットカードで行っている場合、クレジットカード会社へ連絡して「チャージバック(クレジット支払いの取り消し)」を依頼することができます。

クレジットカード会社によってはチャージバックを受け付けないケースもあれば、決済後4ヶ月以内などの期限があることも考慮が必要です。

この手続きは、販売事業者との和解交渉(返金交渉)が上手くいかなかった場合に行います。

ただし、クレジットカード会社は自作自演を懸念しており、被害者本人が連絡をした場合、承認が難しいことがあります。

販売事業者との和解交渉と同じく、司法書士や弁護士を代理人に立てることで、相手の態度が変わり、チャージバックが承認されやすくなります。

クレジットカード会社へ支払停止の申し立て

「割賦販売法」に基づく条件を満たしている場合、支払いを停止できる可能性があります。

具体的な条件は以下です。

  • 販売業者に対して申し立てする理由がある
  • 総支払額が4万円以上(リボルビング方式は38,000円以上)

支払停止の申し立てを行う際には、以下の内容を通知します。

  • クレジットカード会社へ「支払停止の申し立てを主張する旨」を通知
  • 販売事業者へ「抗弁理由や契約解除の意思表示」を通知

決済代行会社へ「返金・キャンセル」の依頼

情報商材詐欺にあった場合、販売事業者への和解交渉(返金交渉)と同時に、決済代行会社へ「返金・決済のキャンセル措置」などを主張することが重要です。

多くの場合、情報商材の支払いはクレジットカードを利用して行われます。

その際、決済代行会社が介在していることが一般的です。

和解が成立しない場合、この決済代行会社からの返金も期待できるかもしれません。

主張は書面で通知する形となり、以下の情報を含めて記載します。

  • 契約者の情報
  • クレジットカードでの決済情報
  • 販売事業者の情報と契約内容
  • 販売事業者に対する責任追及の進捗状況
  • 販売事業者の不誠実な態度に基づく「返金・決済のキャンセル処置」などの依頼

ただし、情報商材が詐欺であると確定的な場合でも、立証は困難な場合が多く、対応が複雑なケースもありますので注意が必要です。

情報商材詐欺の立証は困難な場合が多いため、司法書士や弁護士などの「返金対応専門家が関与しても、ハードルが高い」のが実情です。

消費生活センターの協力

情報商材詐欺の返金対応において、消費生活センターの協力を得るのも有益です。

消費生活センターは、商品やサービスの契約に関連するトラブルに対する相談を受け付けており、これには返金対応やクーリングオフ申請の相談も含まれます。

以下のようなサポートを提供しています。

  • 返金対応に必要な情報の共有
  • 販売事業者との取引が「クーリングオフの対象となるか?」の確認
  • クーリングオフ申請の進め方に関するアドバイス(書類作成や申請方法)

ただし、消費生活センターは代理で返金対応を行うわけではなく、相談を受けた後は被害者自身が返金対応(クーリングオフ申請を含む)を進めることになります。

消費生活センターの対応は一律ではなく、担当者によって異なることや、詐欺と断定できない場合の対応が限られていることがあります。

また、販売事業者の所在が特定できない場合は効果が期待できないこともあります。

司法書士・弁護士へ相談

情報商材詐欺に対する返金成功(クーリングオフを含む)の可能性が圧倒的に高い手段は、司法書士や弁護士への依頼です。

これは、司法書士や弁護士が代理人として立てば、相手である販売事業者やクレジットカード会社などが態度を変え、交渉が進みやすくなるからです。

特に情報商材詐欺に特化した専門家や法律事務所は、多くの解決事例を持っており、頼りになる存在と言えます。

その理由は、返金(クーリングオフを含む)に関連する以下の要素に精通しているからです。

  1. 販売事業者との「和解交渉(返金交渉)」
  2. クーリングオフに必要な書類作成と販売事業者とのやり取り
  3. クレジットカード会社への「チャージバック(クレジット支払いの取り消し)の依頼」や「支払先(販売事業者)の情報開示を依頼」
  4. 決済代行会社への「返金・決済のキャンセル措置」等の主張
  5. 決済代行会社への「支払先(販売事業者)の情報開示を依頼」

先述したように、被害者本人が返金対応を進める場合、販売事業者が詐欺を認めないことやクレジットカード会社が自作自演を警戒することから、進展が難しいことがあります。

繰り返しますが、司法書士や弁護士を代理人に立てれば相手の反応が変わり、話が進みやすくなります。

このため、情報商材詐欺における返金対応(クーリングオフ申請を含む)では、司法書士や弁護士に相談することがベストな選択と言えます。

情報商材詐欺における返金方法に「警察の協力」を期待するのは難しいことがあります。

なぜなら、「民事不介入で、必ずしも解決のために動いてくれるわけではない」からです。

まとめ

情報商材詐欺は「お金が欲しい」「楽したい」といった人間の欲望につけこみ、被害者をだます手法が一般的です。

「うまい話はない」と割り切ることが詐欺被害を避ける上での基本です。

ただし、既に情報商材詐欺の被害にあってしまい、返金を希望する場合は、迅速に弁護士に相談することが重要です。

弁護士に相談することで、被害者のケースに適した対策や手続きをアドバイスしてもらえます。

必要な書面の作成や証拠の収集なども適切に代行・アドバイスしてもらえます。

また、弁護士に依頼することで、内容証明郵便の作成や相手方との交渉、さらには民事訴訟などの裁判手続きまでトータルにサポートしてもらえます。

当事務所では、情報商材詐欺の返金に関する豊富な実績があり、親身かつ誠実なサポートを提供しています。

情報商材詐欺の被害に遭い、お金を取り戻したい方は、ぜひ一度当事務所の弁護士にご相談ください。力を尽くしてお手伝いさせていただきます。

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