国際ロマンス詐欺は写真で見抜ける? その方法と被害にあった時の対処法

ロマンス詐欺

まず、国際ロマンス詐欺は一部の状況では写真から見抜くことが可能です。

ここで指摘しておきたいのは、マッチングアプリやSNSを通じて知り合った外国人から金を騙し取られるという事件が2021年から現在にかけて大幅に増加しているという事実です。この種の詐欺は「国際ロマンス詐欺」と呼ばれ、日本全国で多くの被害が報告されています。SNSを介した交流が一般化してきた現代社会では、面と向かって直接会うことなく異性とのコミュニケーションが可能となっています。国際ロマンス詐欺は、このようなネット社会の特性を巧みに悪用した犯罪です。インターネットを使用している限り、誰でもがこの詐欺の標的となりうると言えるでしょう。

本記事では、国際ロマンス詐欺の手口と被害の対処法について解説します。

国際ロマンス詐欺について

以下に、国際ロマンス詐欺の詳細やその具体的な実行方法について詳述します。

(1)国際ロマンス詐欺とは何か

国際ロマンス詐欺は、一種の特異な詐欺で、SNSや他のオンライン交流プラットフォームを通じて異性と知り合い、外国人を騙る手段を使って相手に恋愛感情を喚起し、金銭を送金させるものです。

多くの加害者は虚偽の名前を使い、他人の写真を使用しているため、一度金を送金してしまうと、被害を受けた後にそれを回収することは非常に困難になります。

(2)国際ロマンス詐欺の特性

国際ロマンス詐欺は、SNSなどのオンライン交流プラットフォームを介して、メッセージや電話で交流を深め、恋愛感情を思わせる言葉を使い始めることから始まります。加害者は数ヶ月にわたり交流を続け、被害者との信頼関係を築き上げます。そして、一定の信頼が築かれた時点で、「事故に遭った」や「生活環境が変わった」などの理由を挙げ、「金を一時的に貸してほしい」などと金銭を要求するのです。

国際ロマンス詐欺の加害者は、架空の人物を装って被害者に接近します。多くの加害者が自称する職業としては、軍人や医者が挙げられます。その際、海外のSNSやインターネットに公開されている実在する軍人の写真が使われることがよくあります。

金銭を要求する際には、「箱物」と呼ばれる手口が頻繁に使われます。これは、加害者が被害者に、「大金(結婚のための資金)や高価な贈り物を送ったが、税関で押収され、罰金を支払わなければ送ることができない」と偽り、被害者に金を支払わせる手口です。他にも、「日本に来て会うための旅費」などという名目で金を要求されることもあります。

「これはロマンス詐欺か?」写真を使った確認方法

「自分が国際ロマンス詐欺のターゲットになっているかもしれない」と疑われる場合、それを確認する方法を以下に説明します。

(1)詐欺師の使用する写真を手がかりに

国際ロマンス詐欺では、被害者を誤信させるために、インターネット上から取得した写真を自分のプロフィール画像として使用し、まるでそれが本人のものであるかのように見せる手口が一般的です。そのため、通信を行っている相手のプロフィール写真を画像検索することにより、その写真がインターネットから取得されたものであるかを判断することが可能です。プロフィール写真が画像検索で一致した場合、それは国際ロマンス詐欺の可能性が高いと考えられます。

(2)写真を使った調査方法

プロフィール写真が本物であるかどうかを確認するための一つの方法は、Googleの画像検索機能を利用することです。Google画像検索の手順は以下の通りです。

① パソコンでウェブブラウザを開き、Google画像検索にアクセス

まず、パソコンでウェブブラウザ(ChromeやSafariなど)を開き、Google画像検索のページにアクセスします。

② 「画像で検索」アイコンをクリック

Google画像検索のページにある検索窓の右側に表示されている「画像で検索」アイコン(カメラのマーク)をクリックします。

③ 画像検索方法を選択

「画像で検索」アイコンをクリックすると新しい画面が開き、ここで検索方法を選択します。パソコン内の画像を使用して検索を行いたい場合、「画像のアップロード」をクリックし、「ファイルを選択」ボタンから対象となるプロフィール写真を選択し、アップロードします。

④ 画像検索結果の表示

プロフィール写真のアップロードが完了すると、自動的に画像検索が開始され、検索結果が画面に表示されます。

画像検索の結果、プロフィール写真と同一の写真が表示された場合、それは国際ロマンス詐欺の可能性が高いと考えられます。これは、詐欺師が他人の写真を自身のプロフィール画像として使用していることを示す証拠です。したがって、異性とのオンラインでの交流がある場合は、この画像検索手法を利用して相手の信憑性を確認することをお勧めします。

対象者は本当に海外の人? 加害者が日本在住者であるケースも

国際ロマンス詐欺は通常、SNSやその他のオンライン交流サイトを介して開始され、加害者はしばしば外国人を装います。このため、彼らは英語などの外国語でメッセージを送信します。しかし、実際には、多くの場合、日本在住者が外国人のふりをしているのです。

国際ロマンス詐欺は非常に緻密で、巧妙な手口が用いられることがあるため、それが詐欺であることに気づくのが困難な場合もあります。しかし、もし何か違和感や疑わしい点を感じたら、プロフィール写真だけでなく他の写真も求めて事実を確認するようにしましょう。

国際ロマンス詐欺の識別方法:写真以外のポイント

最近の国際ロマンス詐欺は巧妙化し、加害者が画像を加工することで検索に引っかからないようにしています。そのため、画像だけでなく他の手がかりも用いて詐欺師を見分けることが必要となります。

以下に、国際ロマンス詐欺の特徴を5つの主要なポイントでまとめています。これらに該当する場合、詐欺の可能性が高いため注意が必要です。

①プロフィール文が再利用されている

マッチングや婚活アプリでは、趣味やデートプランなどを含む詳細なプロフィールを書くことが求められます。詐欺師は多くのアカウントを作成し、プロフィール文を再利用または微調整することがあります。プロフィール文が似ている、または全く同じものを見かけた場合は、それが詐欺の一部である可能性が高いです。異なるプロフィールで似たような表現が見受けられる場合は、関与を避けましょう。

②職業が医師や軍人

詐欺師が多く名乗る職業に「医師」や「軍人」があります。これらの職業は社会的信用度が高いため、詐欺師にとって都合が良いです。紛争地域で働いているという設定が多いのも特徴的です。特に紛争地に派遣されていると称する医師や軍人のプロフィールに対しては、慎重になる必要があります。これらの職業を名乗る人々全てが詐欺師というわけではありませんが、その可能性を否定できないため、注意が必要です。

③知らない人から突然のメッセージ

SNSでは、未知の人物から突然メッセージが届くことがあります。素敵な写真を投稿していますね、などの言葉で始まり、自己紹介や返信を求めるメッセージが続きます。未知の人物からの突然のメッセージには注意が必要です。返信をすると、頻繁にメッセージが送られてくるようになり、その中には「1人で子供を育てている」など、同情を引くような内容が含まれていることもあります。そのようなメッセージが来た場合は、詐欺の可能性が高いです。

④早い段階での恋愛や結婚の話題

メッセージのやり取りが始まるとすぐに熱烈なアプローチが始まることがあります。相手があまりにも早く恋愛や結婚を持ち出す場合、警戒が必要です。早い段階で恋愛や結婚の話題を出す行為は、詐欺師が一般的によく利用する手口の1つです。実際の出会いがないにもかかわらず、恋愛関係になると主張する行為も詐欺の兆候となるため、注意が必要です。

⑤金銭的な問題が頻繁に発生

国際ロマンス詐欺師の目的は、ターゲットから金品を騙し取ることです。相手が恋愛感情を抱き始めたと感じると、お金を要求し始めます。お金を送った後も、次々と新たなトラブルが生じ、高額な資金を求められることがあります。金銭的な問題が頻繁に発生し、それが解決するために金銭的な援助を要求される場合は、それが詐欺の一環である可能性が高いです。そのような事態が起きた場合は、一歩引いて状況を冷静に考え、必要であれば警察や専門の相談機関に連絡しましょう。

これらのポイントを押さえ、状況を常に冷静に判断することで詐欺師を見抜くことが可能です。

以上のポイントに注意しつつ、自分の直感も大切にすることで、詐欺師から身を守ることが可能になります。詐欺師は巧妙な手口を駆使して相手を操作しようとするので、何かがおかしいと感じたら、その感覚を信じることが重要です。

これらの対策は、自分自身を保護するための重要な手段です。それぞれの状況により異なりますが、以下の点を特に心掛けてください。

①詐欺師の特徴やパターンを理解する

国際ロマンス詐欺師は一定のパターンを持っています。例えば、速やかに感情的な関係を深めようとし、突然のトラブルで金銭的な援助を求めるなどです。このような特徴を知っておくことで、早期に詐欺を見抜くことが可能になります。

②信頼できる人に相談する

怪しいと感じたら、信頼できる友人や家族に相談しましょう。第三者の視点からの意見やアドバイスは、自分だけでは気付かないポイントを教えてくれる可能性があります。

③急に高額なお金を要求されたら慎重になる

詐欺師はしばしば、予想外のトラブルを理由に大金を要求します。たとえ信じられる人からの要求であっても、理由を明確にし、必要なら専門家の意見を求めることが重要です。

④パーソナル情報を公開し過ぎない

SNSなどでのプライベートな情報の公開は控えめにしましょう。詐欺師はこうした情報を利用して、あたかも長い間あなたを知っているかのように振る舞い、信頼を勝ち取ることがあります。

⑤金銭を送ることになった場合は、その取引記録を保存する

詐欺に遭ったと認識した場合、その証拠となる取引記録があると、警察による捜査を助けることができます。

詐欺に遭わないためには、感情に流されずに冷静に行動し、自分自身の直感を信じることが重要です。そして何より、自分の安全を第一に考えて行動しましょう。

国際ロマンス詐欺の被害にあったときの相談先

国際ロマンス詐欺の被害にあったと確認したら、対応方法がいくつかあります。以下にその対応方法を3つ紹介します。

①警察への相談

国際ロマンス詐欺の被害に遭った場合、警察に連絡しましょう。現金や他の財産を騙し取られた場合、詐欺師は法的な制裁を受ける可能性があります。特に、インターネットを通じて対面せずに財産を騙し取る行為は特殊詐欺と見なされ、同様の被害者が全国に存在する可能性があります。ただし、警察が詐欺と判断できない証拠の場合や詐欺師が海外に居る場合、警察の対応は限られることがあります。

②国民生活センターへの相談

国際ロマンス詐欺の疑いがある場合、国民生活センターに相談することもできます。国民生活センターは消費者庁が運営する公的な組織で、消費者のトラブルやクレームに対する相談を受け付けています。「188」をダイヤルすれば全国どこからでも「消費者ホットライン」に接続できます。ただし、国民生活センターが直接騙し取られたお金を回収する行為は行いません。主にアドバイスや方針、専門機関の紹介を提供します。

③弁護士への相談

国際ロマンス詐欺で金銭的な損害を受けた場合、弁護士への相談も考えられます。詐欺師から騙し取られた金額を回収するためには、詐欺師を特定し、不法行為に基づく損害賠償を求める必要があります。支払い請求に対して詐欺師が任意に応じない場合、民事訴訟を起こして強制的に権利を行使する必要があります。弁護士に依頼すれば、これらの厳しい交渉も全て一任することができます。

当事務所では、ロマンス詐欺の無料相談を承っております。まずは無料相談窓口までお気軽にお問い合わせください。

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