FX詐欺のよくある手口を弁護士が解説

投資詐欺

FX投資をする人は年々増加傾向にあり、初心者でも少額から始めやすいことや24時間取引が可能なことから人気があります。

しかし、注意が必要な点も多数存在します。

SNSやマッチングアプリを通じて高額なセミナー勧誘や運用代行の勧誘があることや、不正なFX取引所からの被害報告もあります。

FX詐欺にあわないためには、注意深く選ぶこと、情報収集が必要です。

怪しい投資勧誘には引っかからないように、信頼できる情報源や口コミを確認することが非常に重要です。

また、高額な投資の勧誘や急な入金の要求には注意し、冷静な判断をしましょう。

もしも、FX詐欺に遭遇(そうぐう)した場合は、速やかに警察や弁護士に相談し、法的なアドバイスを受けることが大切です。

被害を最小限にするためにも、投資前にリサーチと情報収集を怠らないよう心掛けましょう。

【 FX詐欺とは?】

「FX詐欺」は、SNSやマッチングアプリ、出会い系サイトなどを通じて被害者にコンタクトを取り、FX投資に関する様々な口実で金銭をダマし取る投資詐欺の事を指します。

特に、Twitter、Instagram、Facebook、LINEなど、幅広い年代で使用されているSNSでFX詐欺の被害にあう方が増えています。

悪質な業者が被害者からお金をダマし取る手口は、大きく分けて3つあります。

これについて詳しくご紹介します。

架空の投資話
・FXの運用代行
・高額なFX自動売買ツールの購入

最近のFX詐欺の特徴は、捏造(ねつぞう)された取引履歴などを用いて、あたかも本当に取引していると思い込ませる手の込んだ手法を使用することです。

年々手口が巧妙になり、SNSやマッチングアプリ、スマートフォンの普及により、FX詐欺の被害にあう年齢層は20代から70代までに広がっています。

当事務所の無料相談には、大学生を含む20代と、70代前後の被害者の方からのご相談が2023年は特に多かったです。

安易に投資を始めるのではなく、事前に情報収集を行なってからFXを始めるべきだと考えられます。

全く知らない人から「リスクの低い儲け話」に安易に乗ることは非常に危険です。

投資はリスクとリターンが同じだけあります。

高リスクなら高リターン。低リスクなら低リターン。

これは投資においての絶対の法則なのです。

自分の資産を守るためには、リスクとリターンの割合は同じだと理解すべきです。

自分で判断が難しい場合や、断りづらい状況であれば、まずは一旦保留すべきでしょう。

もし万が一、FX詐欺の被害を受けてしまった場合は、冷静な判断と迅速な行動が被害を最小限をおさめる事に繋がるのです。

【FX詐欺の手口】


FX詐欺を目的とする悪質業者は、被害者にお金を振り込ませるために、いろいろな理由で投資勧誘してきます。

以下に、よくある手口を3つご紹介します。

もし、ご自身が相手の勧誘に違和感を感じた場合は、この記事を思い出して、一旦保留して再考される事をオススメします。

『架空の投資話』

FX詐欺に関連するご相談で、最も多いのが「架空の投資話」です。

よくあるパターンが、聞いたことのない海外の証券会社で口座を開設させて、被害者にその口座へ入金するよう指示してきます。

被害者が実際に入金すると、悪質な業者は捏造(ねつぞう)した取引履歴を見せて、まるで本当に運用しているかのように話してきます。

それで被害者が儲かった分を引き出そうとすると、急に損失が出たかのように取引履歴を捏造(ねつぞう)したりもします。

また、実際には利益が出ても、出金ができないことがほとんどです。

さらには、利益が出たので出金しようとすると、税金、手数料といった名目でお金をだまし取り、その後は連絡がつかなくなる業者も多いのが実情なのです。

『FXの運用代行』

「FXの運用代行」も、よくあるFX詐欺の手口です。

運用代行自体には違法性はないのですが、「金融商品取引業」や「投資顧問業の免許」を持つ会社ではないと運用代行は合法的には行えないのです。

なので、無資格での運用代行は違法行為となります。

特にFX詐欺の運用代行で注意が必要なのは、「月利〇%の高配当」「元本保証します」といった思わず楽して儲かると思ってしまう勧誘には絶対に乗らないようにしましょう。

FXの運用代行における典型的な手口は次の通りです。

・「絶対に儲かる」「高額配当出します」「元本保証します」といった勧誘してくる。
・元本の一部を何度か支払ってくる。(それで被害者の信用を得る考え)
・追加で出資すればさらに利益を得られると勧誘し、入金を要求してくる。
・入金後に連絡が取れなくなったり、一定期間配当金を支払った後に音信不通になる。

もし、FXの運用代行を利用したい場合は、金融庁の登録業者であることを必ず確認しましょう。

『高額なFX自動売買ツールの購入』

FX自動売買ツールは、FX取引を自動で行うシステムのことで、これ自体には違法性は何もありません。

しかし、悪質な業者は取引履歴を開示する時、損失が出てもその履歴を隠し、都合の良い利益分だけを見せてきて、実際は全く儲からないFX自動売買ツールを高額で売りつけてくることが多々あります。

巧妙な手口なので素人では、なかなか見抜くことはできません。

「期間限定」「数量限定」の勧誘には十分に気を付けてください。

「2倍〜3倍の利益」「勝率90〜95%」といった誘い文句は悪質な業者の作り話であるため、信用しないようにしましょう。

その他にも「無料で体験モニター募集中」「無料モニターに当選しました」などの謳い(うたい)文句でFXの自動売買ツールの利用を勧めてくるケースも多々あります。

承諾すると個人情報の登録を求められますし、その個人情報が不正利用される可能性もあるため、安易に利用しないようにして下さい。

【FX詐欺を見分けるチェックポイント】

・入金後に音信不通になったりする
・月利平均が5%以上だとアピールしている
・SNSの投稿が胡散臭い
・メリットばかり強調してくる
・自動売買ツールが数十万円以上する
・ネット検索すると悪い評判や口コミがある
・金融ライセンス未登録の会社の口座開設を誘導してくる
・入金や購入を急かしてくる
・クーリングオフに応じてない

上記のチェックポイントに1つでも当てはまる場合は購入、出資することはオススメできません。

もし、既に購入、出資してしまった場合は警察や弁護士に一度ご相談してみて下さい。

【FX詐欺の被害に遭わないためのチェックポイント】

・金融庁に登録されているか確認する
・高額な自動売買ツールは買わない
・有料の自動売買ツールは使わない
・SNSで見ず知らずの人物からのDMでの投資勧誘は無視する
・知名度の低い海外FX業者を使わない
・実際の利用者からの口コミをネットで調べて確認する

『金融庁に登録されているか確認する』

最初のチェックポイントは、「金融庁に登録されているか確認する」ことです。

安心かつ安全なFX自動売買ツールを選ぶためには、提供元の業者が金融庁に登録されているかを必ず確認しましょう。

FXの証券会社が提供している無料ツールもあるのでいろいろと調べてみましょう。

『高額な自動売買ツールは買わない』

2つ目は「高額な自動売買ツールは買わない」です。

勝率の高い自動売買ツール=稼げる優良ツールではありません。

むしろ、以下の理由から、あまりにも高収益な自動売買ツールは避けることをオススメします。

・見栄えが良いように良い結果だけを見せている
・利益が出る取引だけを決済している
・画像加工をして取引履歴を捏造(ねつぞう)している

実績や広告宣伝の表現が現実的かどうかを確認し、冷静に考え判断しましょう。

『有料の自動売買ツールは使わない』

3つ目は「有料の自動売買ツールは使わない」です。

世の中には無料のFX自動売買ツールと、有料のFX自動売買ツールが存在します。

有料ツールはFX詐欺の被害にあう可能性が高くなるので、その点は注意しましょう。

そもそも論ですが、有料の自動売買ツールの方が、無料の自動売買ツールよりも利益を出せる保証があるわけではありません。

その点も理解しておくべきでしょう。

『SNSで見ず知らずの人物からのDMでの投資勧誘は無視する』

4つ目は「SNSで見ず知らずの人物からのDMでの投資勧誘は無視する」です。

ネットでFX自動売買ツールに関する情報をリサーチすると、「ほったらかしで月収100万稼げた」といった宣伝をする広告やSNSアカウントが見つかります。

さらに、これらのSNSアカウントからはダイレクトメッセージ(DM)が送られてきて、自動売買ツールの購入を勧められてくる事もあるでしょう。

これはそもそも論なのですが、本当にFX自動売買ツールで成功しているのであれば、そのノウハウを他人に教える必要があるのだろうかと考える事もできます。

怪しい投資勧誘には慎重に対応し、メッセージを無視したり、ブロックしたりして、できる限り距離を取るようにしましょう。

『知名度の低い海外FX業者を使わない』

5つ目は「知名度の低い海外FX業者を使わない」です。

FX自動売買ツールで取引を行いたい場合は、知名度の低い海外FX業者を利用するのはやめましょう。

もし、ご自身がFX自動売買ツールを購入したい場合は、ツールの購入前に、どのFX業者の口座開設をしないといけないかを確認して下さい。

確認できたら、その名前をネットで検索し、会社のホームページや口コミ、レビューを全て調べましょう。

あと、カスタマーセンターの確認です。

これらが全て確認できない場合は、証券会社として規模が小さく、十分なサポートが受けられない可能性もあります。

事前調査を徹底的に行った上で、購入、取引を行いましょう。

『実際に利用した人の口コミをネットで調べる』

6つ目は「実際に利用した人の口コミをネットで調べる」です。

被害者になってしまう方々の共通点が、事前にGoogleやSNSでFX業者の名前や自動売買ツールの名前を検索していない事です。

事前にお調べ頂く事で、すでに利用している人の口コミやレビューを確認できたり、FX業者の実態が把握できるわけです。

また、事前調査で気を付けなければいけないのが、FX業者が利用者のフリをして「稼げてます!」とか「オススメです!」といった口コミやレビューをする事もある点です。

とにかく、事前調査を徹底し、その上で購入する事、投資される事を強くオススメ致します。

【FX詐欺の被害にあった際の相談窓口】

「FX詐欺にあったかもしれない」「FX業者と連絡が取れなくなった」という方は、下記の機関に相談してみましょう。

・国民生活センター
・警察
・弁護士

『国民生活センター』

国民生活センターは、日常生活の中で起こるトラブルに関するアドバイスをしてくれる独立行政法人です。

FX詐欺に関するお悩みをご相談される方もたくさんいらっしゃるので、FX詐欺の被害にあった場合も安心して頼れます。

ご相談内容に対してのアドバイスを頂けますし、国民生活センター以外のサポートが必要な場合は、その他専門機関への仲介サポートもしてくれます。

また、土日祝日も電話相談ができるので、平日にご相談するお時間が無い方でも利用する事ができます。

『警察』

警察にご相談される事の最大のメリットは被害届を出せる点です。

悪質な業者にとって警察が被害届を受理するという事実は弁護士が交渉していく中でも、かなり有利に交渉を進めていく事ができます。

ただ、被害状況によっては、なかなか被害届が受理されなかったりもします。

被害届を確実に受理してもらうためにも、FX詐欺の被害にあった場合は、細かな情報収集や情報の整理を行っていきましょう。

あともう一点、FX詐欺にあってしまって、返金請求をしたい場合は警察にご相談するだけではなく、弁護士にもご相談下さい。

警察の目的は悪質な業者からの返金してもらう事ではなく逮捕する事だからです。

この点をしっかりと理解した上で警察に相談しましょう。

『弁護士』

FX詐欺にあってしまった場合、相手業者に対して返金交渉を行わなければいけません。

その際は、弁護士や司法書士といった法的な観点から交渉できる専門家のチカラが必要になってきます。

また、状況によっては、悪質な業者側に弁護士が就く事もあります。

ご自身の大切なお金を取り戻すためにも、FX詐欺に詳しく、返金実績が豊富な弁護士事務所にご相談してみて下さい。

実績もそうですし、適切なサポートが受けられるかどうかをきちんと把握した上で弁護士事務所にご依頼される事をオススメ致します。

【最後に】

2023年の店頭FX取引高は、11月までに累計1京752兆円と2年連続で1京円を突破したそうです。

コロナが世界中に蔓延し、副業解禁の時代に突入しました。

またそれに併せて、副業として手軽に始められてしまうFXをやられる方も増えました。

そしてFXの利用者が増えれば増えるほど、FX詐欺を働く悪質な業者も増えて、FX詐欺の被害者も増えていくのです。

弁護士の身として、この現状はとても心苦しく感じます。

当事務所の記事を1人でも多くの方にお読みになって頂き、この知識と情報をFX詐欺に対する予備知識として学んで頂けたら幸いです。

少しでもFX詐欺の被害にあわれる方が減る事をお祈り申し上げます。

そして既に被害にあわれてしまっている場合は少しでも多く、ダマされてしまったお金を取り戻せる事を心よりお祈り申し上げております。

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