被害が多い投資詐欺の手口を弁護士が解説

投資詐欺

2023年も年末に差し掛かり、当事務所では毎日ひっきりなしに投資詐欺に関するご相談がございます。

当事務所にご相談が多い詐欺事案を3つに分類しますと

・副業詐欺
・占い詐欺
・投資詐欺


この3つに分類されます。

今回はこの中から投資詐欺に関してお話をさせて頂きます。

投資詐欺はさまざまな手口があり、よくある手口も去年と今年とでは詐欺師のやり方が変化していきます。

我々は毎日さまざまなご相談を受けている中でたくさんの情報を得ています。

その情報や私たちの知識を皆様に共有することで、予備知識として学んでいただけたらと考えております。

なぜなら、その予備知識を得ることで、それが投資詐欺に対する予防策につながるからです。

私たちの記事を読むことで、もし万が一ご自身の元に投資詐欺の勧誘があった場合、

「あ、この手口は大栄橋法律事務所の記事で読んだことがあるぞ」

と思って頂き、投資詐欺に引っかからないようになっていただけたらと思います。

インターネット、SNS、スマートフォンが普及して世の中が便利になったことで、それを悪用して投資詐欺を働く人間も増えているのが実情です。

1人でも多くの方にこの記事を読んでいただき、1人でも多く、投資詐欺の被害にあう人が少なくなることを心から願っております。

【投資詐欺の手口は大きく3つに分けられる】

当事務所に投資詐欺のご相談をされる被害者の皆様の事案は3つに分けられます。

①FX詐欺
②ロマンス詐欺
③様々な手口の投資詐欺

下記に上記3種類の投資詐欺に関してご説明させていただきます。

『FX詐欺の代表的な手口とは?』

FX詐欺の代表的な手口は、以下の3つです。

1. FX自動売買ツール詐欺
2. 偽物のFXアプリ詐欺
3. FXのコピートレード詐欺

当事務所にご相談が多いのは上記の3つになります。

余談にはなりますが、FX自動売買ツール詐欺は副業を探してて、副業のコンサルサポートを受けられるという話で聞いていて、話を進めていくと、それがFX自動売買ツールの運用だったというケースもあります。

2023年は特にFX詐欺の被害にあわれた方が多かった印象がございます。

その理由として、個人のFX取引が2023年1〜9月の取引額は8957兆円と同期間として過去最大になったという背景があると推測しております。

『 FX自動売買ツール詐欺とは?』

FXには、投資家が自身で取引を行う方法だけでなく、自動売買取引もあります。

自動売買は、プログラムやアルゴリズムに基づいて市場の変動を検知し、自動的に取引を行う仕組みです。

これ自体は違法ではありませんが、自動売買を悪用したFX自動売買ツール詐欺があります。

具体的な手口として、投資家に対して電話やメッセージなどで連絡をして、「自動売買のモニターへ当選した」といった連絡をして勧誘します。

販売業者は、「寝ているだけで簡単に利益を得られる」「必ず儲かる」「元本は減らない」といった甘い言葉で投資勧誘してきます。

被害者がこれらの言葉に惑わされて指定された銀行口座や海外FX会社に入金すると、急に販売者が音信不通となり、出金ができなくなるという手口もあります。

あとは実際に自動売買ツールで取引を行うけど、まったく稼げず、入金した資金をすべて失ってしまうというケースもございます。

世の中にはごく少数ではありますが、利益をもたらしてくれる自動売買ツールも存在しているようです。

なので、もしFX自動売買ツールを購入されたい場合は「販売会社」についてネットで詳しく検索されたり、購入予定のFX自動売買ツールの運用実績をきちんと把握した上でご購入されることを強くオススメ致します。

『偽物のFXアプリ詐欺とは?』

悪質な業者は、FX自動売買ツールと同様に電話やメッセージを通じて、「絶対に儲かります!」「絶対に損はしません!」といった甘い言葉で投資勧誘をしてきます。

その際に利用者に偽物のFXアプリをダウンロードさせ、そのアプリを使って海外FX会社の口座開設をさせます。

この偽物のFXアプリと海外FX会社の口座は連動しており、利用者はリアルタイムで口座残高や運用成績を確認することができます。

悪質な業者は捏造(ねつぞう)したウソの運用実績を見せ、口座残高が増えている取引履歴を見せます。

これを見て、利用者は利益が出ていると信じ込んでしまうのです。

しかし、実際には何も運用は行われておらず、悪質な業者が作成したウソの運用実績を見せられているだけです。

しかも、利益を引き出そうとすると、さまざまな理由をつけられて出金ができません。

最終的には相手と音信不通となり、被害者は連絡が取れなくなり、我々の元にご相談に来られることになってしまうのです。

『FXのコピートレード詐欺とは?』

コピートレードは、プロのトレーダーが行った取引を投資家が自分の口座にコピーする手法です。

プロトレーダーが取引を行うと、同じ取引ポジションが投資家の口座にも自動的に反映され、また取引ポジションを決済する際も同じ方法で処理されます。

言い換えれば、プロトレーダーが利益を得れば、投資家も同様に利益を期待できる仕組みなのです。

コピートレードで特に注意しなければいけないのが、取引の主導権がプロトレーダーになるので、運用停止・決済・出金をしたいと思ってもできない点です。

投資家自身の資金をマスター口座と呼ばれる専用口座に入金して完全に運用を全て任せることになるので、資金の持ち逃げなどに遭う可能性が高くなります。

コピートレードは初心者向けだという方もいらっしゃいますが、とてもリスクの高いことをご理解していただくべきだと考えております。

【ロマンス詐欺とは?】

ロマンス詐欺とは、SNSやマッチングアプリなどで知り合った相手を言葉巧みにだまして、恋人や結婚相手になったかのように振る舞い、金銭を送金させる詐欺のことを指します。

男性なら英国人や米国人など、女性ならロシア人などになりすますことが多いと言われています。

SNSなどのプロフィールとして使われる写真は、美男美女のモデルのような人物の写真をインターネット上からランダムに採取し盗用したものがほとんどです。

相手を警戒させないために、子供の写真を合成して子持ちの独身を装ったり、被害者しか頼れないという状況を作るために、家族を亡くして自分は孤独であるなどの悲話を作ったりして同情をさせるのも手口です。

他にも被害者を信用させるため、架空のビジネスサイトを見せたりもして、その事業に投資させたりするのです。

『被害額355万円・50代男性・インスタグラムのDMで投資詐欺被害』

実際に当事務所にご相談いただいた事例をご紹介させていただきます。

私のロードバイク系のインスタグラムに「フォローしました。1人で走るのとグループで走るのどちらがお好きですか?」と見知らぬ女性からDMがきました。

彼女は日本語を話せないので翻訳アプリを使いながら「私は現在36歳独身で台湾で育った日本人で、今年から日本に帰国している。アパレル関係の小さな会社を経営していて50歳になるまでに、経済的に自由になる為に仮想通貨の勉強をしている。アナタも勉強したいのなら教えてあげる」と言ってきました。

ちょうどその頃、将来に不安を感じていて、資産運用を考えないといけないと思っていたので、彼女から教わる事にし、LINE交換をしました。

その後すぐに「さっそく取引を始めましょう。いくらの資金で始めますか?」と言われたので、とりあえず手持ちの25万円で運用を始めました。

その後、2度取引を行い、利益が出て、それが振り込まれたので、これで信用してしまいました。その後、恋愛感情を持つようになり完全に信じ切ってしまいました。

そして30万円、300万の元本追加をし、合計355万円の出資をしてしまったのです。

しかしその後、利益が出ても出金ができず、出金要請が却下され口座が凍結されました。ここまできてやっと投資詐欺だと気付き、大栄橋法律事務所にご相談させて頂きました。

『様々な手口の投資詐欺とは?』

当事務所にはさまざまな投資詐欺のご相談がございます。

・ネットショッピングへの事業投資の詐欺
・金、原油などの先物取引きの投資詐欺
・仮想通貨詐欺

ネットショッピングの出店を勧誘し、そのための出店費用や仕入れ費用を支払わせておいて、そもそもそのネットショッピング自体が架空のものだったりします

金、原油の先物取引の投資勧誘をして、その取引自体がウソだったり、相手と連絡がつかなくなってしまったりと詐欺の手法はさまざまあります。

流行り廃りではございませんが、その時の時代背景に合わせた投資詐欺が存在しているのです。

【投資詐欺でだまされないためのよくある手口をご紹介】

当事務所に投資詐欺についてご相談される方々からお聞きする内容で共通点があるのでご紹介させていただきます。

・インスタ、X(旧 Twitter)の DM を送ってきた異性から投資に誘われた
・マッチングアプリで知り合った人物から投資の話を持ち掛けられた
・個人名義、会社名義の複数の口座に振り込みさせられた
・突然、投資のグループ LINE に追加させられて、FX の詐欺にあった
・投資話に乗ったら振込先が毎回違う

上記の項目に当てはまる投資案件には注意が必要です。

もし、どれかに当てはまるようでしたら一度、当事務所の無料相談にお問合せ下さいませ。

【投資詐欺の被害にあった場合、お金を取り戻すことはできるのか?】

結論を申し上げますと、やってみないと分からないというのが実情です。

投資詐欺の事案の内容によっては、すでに相手と連絡が取れなくなっていたり、他にも被害者がいて、その被害者が別の弁護士に依頼をしている場合は、被害者が振り込んだ口座が凍結されていたりと状況が異なっています。

相手とのやり取りを証拠として残せている人もいれば、証拠が少ない方もいらっしゃいます。

なので、本当にやってみないと分からないというのが弁護士の本音なのです。

【二次被害にもご注意を】

投資詐欺の返金に関しては、先述したように、実際にやってみないと分からないのが本音です。

そしてここでご注意いただきたいのが、投資詐欺に関する二次被害についてです。

投資詐欺の被害が多い現代で、それを解決するのが弁護士の役割です。

しかし、中には高額な着手金を弁護士から請求されて、最終的には投資詐欺で被害にあったお金も取り返せず、高額な着手金も水の泡となってしまう被害者が増えてきてしまっているのです。

このような二次被害にあわないためにも、必ず複数の弁護士事務所にご相談されることを強くオススメ致します。

投資詐欺に関しては、口座情報から相手の個人情報などを開示請求する必要があるので、振込口座ごとに実費もかかります。

なので、複数の弁護士事務所の無料相談を活用し、相見積もりを取ってみた上でご自身が納得できる内容の弁護士事務所にご依頼されることをオススメ致します。

【まとめ】

投資詐欺の被害にあわないためには、投資する相手の情報をネットで徹底的に調べる事や、相手や投資案件の情報を徹底的に調べてみる事が重要だと考えます。

また、「楽して稼げる」とか「元本保証」など甘い言葉で投資勧誘してくる相手に対しては特に注意するべきでしょう。

そしてもし、この記事を読まれているご自身が投資詐欺の被害にあってしまっていたら、必ず複数の弁護士事務所に相談し、相見積もりを取ってからご依頼されて下さい。

この記事を読んで下さる事で、投資詐欺の被害にあわない方が1人でも増える事や、投資詐欺の被害にあってしまった方が1人でも多く、だまされてしまったお金を取り戻せる事ができたら幸いです。

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