物販ビジネスの副業は怪しいのか?
商品を販売する物販ビジネスを副業として選ぶ際、注意が必要です。
副業詐欺の手口や見分け方、被害に遭った場合の対処法など、お金を稼ぐための副業に関する情報を確認しておきましょう。
騙されたり被害にあったりしないよう、予防策を知っておくことが重要です。
物販ビジネスの副業は怪しい?副業詐欺?
「物販ビジネスが怪しい」と言われる主な理由は、物販ビジネスを始めたいと考える人々が、悪意を持った副業詐欺に遭うことが増えているからです。
物販詐欺が増加した背景には、ネットで仕入れと販売が完結する物販ビジネスが副業として注目され、人気となったことが挙げられます。
ただし、すべての物販ビジネスが怪しいわけではありません。
ネットや店舗で商品を仕入れ、販売して利益を得るビジネスモデルは小売店と変わりがありません。
物販ビジネスは、副業詐欺まがいの情報も潜んでいるため、慎重な検討が必要です。
物販ビジネスは違法ではない
物販ビジネスは、商品を購入してそれを他で高値で販売し、利益を得るビジネス形態で、主にインターネット上で展開されます。
実店舗やECサイト、フリマアプリで仕入れて、オンラインで販売するのが一般的です。
このビジネスは合法であり、高額の準備金は不要で在宅勤務が可能なため、副業として広く人気があります。
また、ネットショップを構築せずに大手プラットフォームでの出品も行われ、在庫リスクを抱えずに手軽にスタートできます。
物販詐欺は存在するので注意
現在、「物販ビジネスを始めると必ず成功する」と謳った誇大広告のもとに行われるコンサルティング詐欺が横行しています。
物販ビジネスに興味を抱き、収益を増やすために学びたいと考えた場合、多くの人がコンサルティングを受けることを検討するでしょう。
しかし、正しい情報を提供するコンサルティングもあれば、詐欺まがいの怪しいコンサルティングも存在するため、物販ビジネスに取り組む際には危険性や疑念が拡がっています。
物販詐欺の手口
物販詐欺の手口には様々なものが存在します。
実際の物販詐欺の事例からその手口を把握し、物販詐欺を未然に防ぐための情報をご紹介させて頂きます。
高額な情報商材を無理に買わせられる
物販詐欺の典型的な手法の一つは、知らない人からSNSなどで「簡単に儲かる話がある」と言われ、高額な商材を購入させられることです。
この手口では、実際に副業を始める前に高額な商材を購入させられます。
この詐欺手法は一般的で、商材の価格は10万円から100万円といった単位で求められることがあります。
SNSだけでなく、ホームページ、ブログ、WEB広告でも勧誘され、目につきやすく興味を引きます。
また、広告に見えない写真共有サイトやメールマガジン内での情報も、実は広告であることがあります。
最初は安価でも「さらに情報を得るためには〇〇万円」といった形でどんどん高額な支払いを求められることもあり、これが物販詐欺の典型的な手口です。
仕事を始めるために不必要な道具や高額な契約を押し付けられる
「仕事を始めるために○○を購入すれば、報酬ですぐに元が取れる」と言われたにもかかわらず、実際にはまったく儲からずに損をしてしまう手口も存在します。
一部の詐欺では、購入した途端に連絡が途絶え、気づいた時には手遅れになってしまうこともありますので、冷静な判断が必要です。
基本的に、副業を始めるために何かを購入する必要がある場合は、副業詐欺である可能性が高いです。
ネット通販代行として、売り上げが上がらなくても高額なサーバー代だけを年契約で支払わせたり、高額なローンを組ませたりするケースも見受けられます。
違法な仕事に巻き込まれる
SNSやWEB広告で、「簡単に儲かる仕事がある」との記載を見かけたことがあるでしょう。
こうした場合、実際には自分の名義で口座を作り、それを売る「名義貸し」だったり、荷物を受け取るだけで振り込み詐欺の手助けをすることもあります。
これらの事例はどれも意図せずに犯罪に巻き込まれることになり、厳罰の対象になりかねません。
関わらないよう十分に注意しましょう。
違法な仕事に手を染めると「知らなかった」では済まされない可能性があるため、違法性は事前に確認しておくべきです。
報酬を受け取る条件が厳しく、最終的に受け取れないまま終わる
副業詐欺の手法には、悪質なポイントサイトも含まれます。
ポイントサイトは手軽に換金できる魅力がありますが、換金可能なポイント数を高額に設定し、実際に換金できないまま有効期限を迎える手口があります。
この種のポイントサイトでは、登録者に無償で作業をこなさせるか、個人情報を収集することが主な目的であり、正当な報酬を得ることが難しくなります。
退会のためのリンクが見当たらない、別のサイトへの登録を促すメールが届くなどの問題も発生します。
物販詐欺を含む副業詐欺の見分け方
物販詐欺を含む副業詐欺にはいくつかの特徴があり、これを知ることで副業詐欺かどうかを見抜くことができます。
以下は、副業詐欺の特徴と見分け方のポイントです。
これらのポイントを確認することで、物販詐欺から身を守ることができます。
会社の運営実態
最初に、副業を検討している契約先の企業が適切に運営されているかどうかを確認することが肝要です。以下は確認すべきポイントです。
- 企業情報の明確さ: 運営実態や企業説明、利用ガイドなどが明確に掲載されているかを確認しましょう。
- 法人番号の確認: 国税庁の法人番号公表サイトを確認して、不正確な情報や法人番号のない場合は警戒が必要です。
- 消費者庁の情報: 消費者庁が公表している詐欺被害に関する情報をチェックすることも有益です。
- 言語の不自然さ: 国外のグループが絡んでいる場合、日本語表現に不自然さや誤りがあることがあります。
- 契約条件と報酬の透明性: 仕事の条件等の情報が不透明な場合は、急がずに契約を行う前に充分に調査することが重要です。
これらのポイントを確認することで、安心して契約に進むことができます。
過大な宣伝文句
副業詐欺は、甘い言葉や誇大広告で勧誘されることが多いです。
- 「絶対に稼げる」
- 「簡単に誰でもできる」
といった表現があれば、副業詐欺の可能性が高まります。
お金を稼ぐことは容易でなく、また、誰にでもできる簡単なものではありません。
稼ぐためには様々な要素が絡む上、個人差が大きいため「必ず稼げる」といった断言がある場合は、それを詐欺のサインと考えるべきです。
支払いの要求
情報商材や仕事に必要な道具、契約など、「副業を始めるために○○万円必要」といった話が出てきた場合、詐欺の可能性が高まります。
本来、副業で収入を得るために初期費用を支払うのは不自然です。
例えば「最初に30万円支払ってください」と言われても、実際に得られる収入が月5000円では、初期費用を回収するのに膨大な時間がかかる可能性があります。
甘い言葉に流されて支払いを行わないように十分に気をつけましょう。
また、サポートやコンサルティングといって追加料金を求められるケースもあります。
指示通りに支払ったにも関わらず、実際には十分なサポートが受けられないといった副業詐欺にも注意が必要です。
副業詐欺の返金請求の方法や相談先
どんなに注意していても、副業詐欺に巻き込まれた場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。
「まさか自分が…」というショックから、気づけば状況が取り返しのつかないものになってしまうことを防ぐためにも、対処方法を知っておくことが重要です。
クレジットカードの支払い停止
副業詐欺の被害に遭い、情報商材や高額商品を購入してしまった場合、クレジットカードを利用した支払いを停止することができます。
分割払いやリボ払いの設定をしている場合、割賦販売法に基づいて事業者の詐欺を理由にクレジットカードの支払いを中止し、支払った金額の返金が可能です。
金融機関口座の凍結
銀行口座への振り込みを指示する詐欺手口に遭遇した場合、「振り込め詐欺救済法」を活用してその金融機関口座を凍結させることが可能です。
この救済法は、副業詐欺の悪質な業者が指定した振り込み先銀行口座を凍結し、凍結された口座内の残高を被害者に分配する制度です。
この制度を利用することで、悪質な業者が口座から被害金を引き落としていない場合、被害者は一部の被害回復を期待できます。
ただし、口座を凍結するには、警察と金融機関の両方に連絡する必要があります。
副業詐欺の被害に遭った場合は、速やかに振り込み先の銀行に連絡し、同時に警察に被害を申告するよう心掛けましょう。
クーリングオフ制度
クーリングオフ制度は、ある特定の取引において、申し込みや契約を結んだ後でも一定期間内に申し込みの撤回や契約解除が認められている制度です。
特定商取引法では、クーリングオフが可能な取引と期間が以下のように定められています。
特定商取引法によれば、以下の取引については8日間のクーリングオフ期間が設けられています。
さらに、以下の取引については20日間のクーリングオフ期間が設けられています。
国民生活センター・消費生活センター
「国民生活センター」は、消費者トラブルに関する情報提供や調査研究などを行う独立行政法人であり、個別の消費者トラブルの相談も受け付けています。
この機関では、専門の相談員に電話相談ができ、返金に向けた対応のアドバイスや、専門機関への連絡の支援が行われることがあります。
「188」をダイヤルすることで「消費者ホットライン」に接続できます。
このホットラインでは、最寄りの市区町村の消費生活センターや消費生活相談窓口を案内してもらうことができます。
集団訴訟
副業詐欺の被害が多人数に及ぶ場合、返金を求めて集団訴訟が提起される可能性があります。
被害金額が少額で弁護士に相談するほどの資力がない場合は、集団訴訟に参加することで被害回復の可能性があります。
消費者団体訴訟の場合、適格な消費者団体が被害者の代わりに返金のための訴訟を進めてくれます。
この制度を利用するには、被害者が情報提供し、消費者団体による代理訴訟に参加することが必要です。
警察へ告訴状・被害届
副業詐欺に遭った場合、警察署に告訴状や被害届を提出すると、特殊詐欺事犯として捜査が行われ、詐欺師が逮捕されることもあります。
ただし、副業詐欺の返金は民事の問題であり、警察が直接回収するわけではありません。
逮捕された業者が示談を求め、被害者が合意すれば被害回復が図られることもあります。
ただし、手元の証拠が詐欺であると判断できない場合や、当事者間の金銭解決が求められる民事事件であると判断されると、警察の積極的な対応は期待できない可能性があります。
弁護士に相談
副業詐欺で騙し取られたお金を取り戻したい場合には、弁護士に相談することが重要です。
弁護士に相談することで、返金の見通しや対策を判断してもらえます。
被害回復のためには加害者の特定や損害賠償請求が必要ですが、相手の情報がわからない場合でも、弁護士は照会制度を利用して情報を取得することができます。
また、弁護士に依頼することで交渉や訴訟における対応をプロに任せることができます。
特に副業詐欺の返金において経験豊富な弁護士は、高い成功率でお金を取り戻すことが可能です。
当事務所では副業詐欺の返金請求について豊富な実績があり、親身かつ誠実に対応いたします。
お困りの際は、ぜひ当事務所の弁護士にご相談ください。
【まとめ】
物販ビジネスの勧誘において「誰でもできる」「簡単」「1日30分」などは魅力的な広告ですが、注意が必要です。
このような広告には物販詐欺も含まれている可能性があります。
副業詐欺は増加傾向にあり、自分が巻き込まれる可能性もあるため、慎重な判断が求められます。
物販詐欺の手口や対処方法を知り、騙されないようにしましょう。
お困りの際は、当事務所の弁護士にご相談ください。
親身で誠実な弁護士が、依頼者の大切なお金を取り戻すために全力を尽くします。