最近、当事務所に寄せられる相談の中に、インターネット上の占いサイトに関する金銭問題が増えています。トラブルを生んでいるのは、特にメールで占いを鑑定するサイトが目立ちます。
利用者は、サイト内で購入した有料ポイントを使い、占い師へメールを送るために1,000~1,500円ほどの費用が発生します。
その結果、短期間で数百万円を超える出費を抱えてしまった被害者も存在します。
ここでは、そのような占いサイトの不審な操作や一般的な傾向などを詳しく説明していきます。
短期間に高額な料金を占いサイトへ課金をしてしまった被害者も・・・
高額な支払いを占いサイトにしてしまった被害者も存在します。彼らは、自身の問題をメールで送信することから始まります。占い師からの返信は、「あなたは驚くほどの金運を持っている」「信じて占いを受け続ければ、大金を得ることができます」といった、利用者の興味を惹くような結果が送られます。これらの占い結果を信じてしまうと、ユーザーは次第に占いサイトへの依存を深めてしまいます。
また、占い師へと他人には話せない悩みを相談した場合、それを利用されて「鑑定を止めれば望みが叶わない」「ここで鑑定を終わると不幸になる」といった不安をあおる言葉で駆り立てられます。このようにして、終わりの見えない占いのスパイラルに巻き込まれ、短期間で数百万円もの金額を投じてしまう人もいます。
なぜ占いにこれほどの高額な被害が出てしまうのでしょうか。その理由の一つとして、多くの占いサイトがポイント課金システムを採用していることが挙げられます。支払い方法には銀行振込だけでなく、クレジットカードや電子マネーを使用できるため、気づいたときには既に多額のお金を支払ってしまっている、というケースが多いのです。
悪質な占いサイトに引き寄せられる手口を考えてみましょう。
当事務所にて多く相談を受ける被害者は、主にインターネットの検索結果に表示される広告やウェブページのバナー広告から、悪質な占いサイトに誘導されます。
占いサイトの利用者の多くは、「無料鑑定」などと明記されたページに引き寄せられ、無料だからと軽い気持ちでクリックし、生年月日やメールアドレスなどの個人情報を送信します。すると、性格診断や相性診断などの結果が送られ、その続きを見るために有料会員ページに誘導されます。有料会員ページでも、初回のメール鑑定は多くの場合無料です。
しかしながら、こうした占いサイトは、占い師から利用者へメールを送ることを促す仕組みが多く見受けられます。「信じて鑑定すれば将来大きなお金が入る」「守護霊からの贈り物がある」等の内容のメールを送ることが多く、これは有料ポイントの購入を促すための手口です。
継続的な占いのやり取りには、ポイントの購入が必要となり、1通あたり1000~1500円程度が一般的です。さらに、無料鑑定のメールを送信すると、しばらくしてから複数の占い師からメールが送られてきます。これは、ユーザーの記憶に占いサイトを強く印象づけるための手法です。
メール占いに依存すると、1日に数通から十数通ものメールを送信することがあり、また同一サイト内の別の占い師からもメールが届くことで、多くの占い師とのやり取りを始めてしまう人もいます。
その結果、1日に十数通ものメールのやり取りをする人も珍しくありません。そして、占い師から特定の言葉やフレーズを送るように指示があり、消費者はそれに従って送信します。これは、占い師の指示に従えば願いが叶うと思い込んでしまう状態、すなわち洗脳された状態にあるからです。1通あたり1500円とすると、知らず知らずのうちに膨大な料金を支払ってしまっていることになります。
実際に、気がついたときにはすでに数百万円以上を支払ってしまい、その後で当事務所に相談に来る方もいます。このような事例から見て取れるように、占いサイトに引き寄せられ、思わぬ被害に遭ってしまう手口が巧妙化していることを認識することが重要です。
占い詐欺サイトの特徴と、被害者がやめることができない理由を探る
悪質な占いサイトは、利用者の希望や不安を操り、鑑定を長期化させる策略を用います。たとえば、「鑑定を信じ続ければ必ず宝くじに当選する」といった過度な期待を喚起したり、逆に利用者がメールの送信頻度を落とすと、「鑑定を止めると運気が下がる」といった不安を煽るメッセージを送ります。
占い師から「あなたの望みが叶うのはもうすぐです」と言われ続けると、利用者は終わりの見えない鑑定を止められなくなります。また、「大きな金額を得られるかもしれない」あるいは「願いが叶うのなら」と考え、高額な鑑定費を支払い続けることになる。
そのうえ、多くの利用者が自分の悩みを占い師に打ち明けるため、自分の悩みに合った鑑定結果が送られてくると、利用者は次第に占いサイトに依存してしまいます。
また、占いサイトの運営者は利用者の共通する悩みを理解しており、定型の鑑定結果を複数の利用者に一斉送信することもあります。恋愛や復縁、金銭問題、子育てや夫婦間の問題など、被害者が占いを求める際の悩みは共通しています。
さらに、占い詐欺の被害者は女性が多く、特に40~60代からの相談が増えています。これらの被害者は、家庭や金銭の問題、人間関係のストレスなど、家族や周囲に相談できない悩みを抱えていることが多いです。
本記事を読んで、似たような手口に該当すると思われる方や、何かしら不寔だと感じる方は、占いサイトの利用をすぐに停止することを強く推奨します。
占い詐欺からの返金を目指す際は、法律事務所への相談が有効です。やり取りしたメールの保管も忘れずに。
もし自分が占い詐欺の被害に遭ったと感じた場合や、何か疑わしい動きを感じた場合、まずやるべきことは、占いサイトの占い師や鑑定師とのやり取りを保存することです。
返金請求において最も重要な証拠が、これらのメールのやり取りです。
詐欺的な占いサイトでは、特定の期間が過ぎると自動的にメールが削除されることがよくあります。これは詐欺サイトが証拠を残さないように工夫している一環です。
メールのやり取りだけでなく、サイトの利用規約や特定商取引法に基づく表記も保存しておくことが重要です。これは、返金交渉を進める中でサイト側が不利になると情報を書き換えてしまうケースがあるためです。これらの情報は通常、占いサイトの下部に掲載されています。
返金を希望する方は、返金の実績がある法律事務所に相談することをお勧めします。そこでは占いサイトの悪質性を判断したり、返金までのプロセスを相談したりすることができます。
悪質な占いサイトは、被害者の悩みを逆手に取り、巧妙な手口でユーザーを誘導します。
自分が困っているときに誰かの助けを求め、その結果として占い詐欺の被害に遭ってしまった、という相談が寄せられることがあります。私たちの事務所は、そうした被害者の支援に全力で取り組みます。