SNSの普及により、外に出会いを見つけに足を運ばずとも、インターネット上で出会うことができ、昨年から世界中に猛威を振るい続けている新型コロナウイルスの影響もあり、出会い系サイトやアプリを利用する方が更に急増しており、出会い系サイトや、マッチングアプリをきっかけに結婚する方も増えている時代です。
しかし、そんな出会い系サイトを利用した悪質な詐欺被害が多発しています。
出会い系サイトの詐欺被害には、いくつかのパターンがあり、その手口は実に巧妙ですので、今回は、出会い系サイトに潜む、悪質な詐欺の実態について、詳しく解説していきたいと思いますので、お役立ちいただければと思います。
悪質な出会い系サイトの怪しい手口とは？
出会い系サイトの詐欺にはいくつかのパターンがあり、その手口は実に巧妙で、詐欺に遭っていることに気づいていない方がいるほどで、見極めることがとても難しいです。
更に、世間では出会い系サイトの利用者が増えているとはいえ、出会い系サイトを利用していたということを恥ずかしく感じ、誰にも相談できずにいる方もいます。
ここでは、巧妙な詐欺の怪しい手口についてお話していきますので、お心当たりのある方は、参考にしていただければと思います。
- SNSから突然連絡がきて、悪質な出会い系サイトに誘導される
昨今では、老若男女問わずSNSの利用している方が多いためか、SNSから突然連絡がきて、悪質な有料出会い系サイトに誘導されるケースが増えています。
また、そこから、投資などの情報商材を勧められ、高額な金額を騙し取られるケースがあります。
- 異性とチャットで話をするのに課金するよう促される
そもそも、一般会員が存在しておらず、サクラ（サイトが側に雇われている人）からサイト内のチャットで会話を続け、チャットをするためのポイントを購入させるよう促されるケースもあります。
- 悪質な有料出会い系サイトから他の有料出会い系サイトを紹介される
有料出会い系サイトに登録する際に、メールアドレスを登録するのですが、そのメールアドレス宛に同じ会社が運営する他の有料出会い系サイトを紹介されるケースもあります。
また、サイト内で出会った異性から、他の有料出会い系サイトを紹介され、勧誘されるケースもあります。
- 男性と話しをするだけで稼げる副業
『男性と話しをするだけで稼げる副業』と言われて始めたにもかかわらず、いつの間にかこちらが高額な金額を支払っている、といったケースもあります。
このケースは、女性が詐欺被害に遭われていることが多いですが、逆のパターンもあり、男性が富裕層の女性と会話するだけで稼げるというケースもあります。
実際にあった出会い系サイト詐欺の被害事例をご紹介
悪質な出会い系サイトの怪しい手口がわかったところで、実際にあった、悪質な出会い系サイトの詐欺被害に遭ってしまった方の体験談をご紹介していきたいと思います。
「自分も同じような経験したかも…」「今まさにこの状況にそっくりな出来事が起きている！」といった方は、要注意です。
では、見ていきましょう。
詐欺事例①
流行りのSNSを利用している際に、異性から突然連絡が来て、少しやり取りが続いたところで、そのSNSのアカウントが不具合を起こして使えなくなったから、その子がよく利用している有料の出会い系サイトで連絡を取りたいと言われたので、ある出会い系サイトを登録しました。
そして、チャット内で会話をするようになり、連絡先を交換することになったのですが、何度もシステムエラーになって交換できず、その度に費用を払っているのに、一向に交換できませんでした。
被害事例②
インターネットの広告でたまたま見つけたことをきっかけに、外出することも減って、気軽に話せる相手が欲しいなと思い、出会い系サイトに登録をすることにしました。
登録したとたんに複数の異性から一斉にメッセージが届き、チャット内で必要なポイントを購入し続けていたら、気づいたときには短期間で、数十万円もの高額な金額を消費してしまっていました。
詐欺なのではないかと気づいたのは、だんだんチャット内での会話がかみ合わなくなってきたことから、不信感を抱くようになり、そこでやっとサクラを雇っている悪質な出会い系サイトなのだと、気づくことができました。
被害事例③
新型コロナウィルスの影響で収入が減ってしまっている時に、「女性なら誰でも簡単に稼げる」という言葉に惹かれて、その副業内容とは、男性とメールのやり取りをするだけでというものだったので、言われた出会い系サイトに登録をしました。
すると、会社を経営しているという男性からメッセージが届き、「相談に乗ってくれたら、お礼に数十万円を支払ってあげる」と言われたので、個人情報を交換しようとしましたが、文字化けしてしまい、エラーを直すのにお金がかかると言われたことを伝えました。
すると、謝礼にプラスして、その費用も支払ってくれるというので、費用を支払いましたが、
結局文字化けが直ることはなく、その費用も支払ってもらえていません。
悪質な出会い系サイトを見極めるポイントはある？その特徴とは
ここまでに、悪質な出会い系サイトの怪しい手口や、実際に詐欺の被害に遭われてしまった方の体験談をお話してきましたが、悪質な出会い系サイトの特徴を知っていれば、事前に詐欺被害を防ぐことができるのではないでしょうか。
悪質な出会い系のサイト内には、いくつかの注意点があります。
これさえ知っていれば、悪質な出会い系サイトなのかどうかを見極めることが出来るかと思いますので、確認し、見ていきましょう。
- 突然のSNSや間違いメールには気を付けよう
利用者の多いSNSから突然連絡をし、何かしらの理由をつけて、出会い系サイトへ誘導するケースが最近増えてきています。
また、間違いメールやSMS、間違いLINEを送り、誘導するケースもあります。
本当に間違えて連絡がくる場合もあるかとは思いますが、そこから有料の出会い系サイトに誘導されるケースは非常に怪しい可能性が高いです。
- サイト内の特定商取引法に基づく表記をチェック
安全な出会い系サイトには必ず、サイトの下の方に『特定商取引法に基づく表記』や『利用規約』が存在します。
ですが、悪質な出会い系サイトには、この『特定商取引法に基づく表記』がない場合や、『利用規約』や『会社概要』が存在しないことがほとんどです。
また、とあっても、全く会社情報を記載してない場合があります。
こういったケースは、悪質な詐欺行為をしている運営会社の典型的なパターンですので、利用しないことをお勧めします。
- 運営会社が海外になっている場合は怪しいかも？
日本で出会い系サイトを運営するには、警察に『出会い系サイト事業の届け出』を提出しなければなりません。
ですが、悪質な詐欺行為をしようとする運営会社は、『日本の法律から逃れたい』『警察からの摘発を逃れたい』と考えて、海外の運営会社を利用しているのではないか…と、考察できます。
特定商取引法に基づく表記に、運営会社名や所在地は海外なのにも関わらず、連絡先だけ日本の場合等もあります。
海外の運営会社が必ずしも、悪質な詐欺行為をする運営会社だとは言えませんが、注意が必要だと思います。
- 利用規約をよく確認してみましょう！
先ほどもお伝えしましたが、そもそも、利用規約のない出会い系サイトは悪質な詐欺行為をするサイトである可能性が高いのですが、利用規約が存在していたとしても、実はその内容に落とし穴が潜んでいる可能性もあります。
利用規約はサイト側を守るために存在しており、安全で優良な出会い系サイトの利用規約には、会員様が損をするようなことは記載されていませんが、悪質な出会い系サイトの場合はそれが記載されてケースがあります。
例えば、『異性もしくは同性との出会いを推奨、保証するものではありません』『出会い系サイト内での個人情報の交換は禁止とする』『定められたNGワードを相手に送信することはできません』『会員様間で起きたトラブルには一切関与致しません』『本サービスの停止、廃止によって受ける損害については、一切責任を負いません』などの記載がされています。
これらは、出会い系サイト側の運営会社が言い逃れをするために、記載しているものですので、利用規約をしっかりと読み、こういった記載のある出会い系サイトには気を付けましょう。
悪質な出会い系サイト詐欺の被害に遭った場合の対応措置と、その相談先は
ここまでのお話で、『もしかして、今詐欺被害に遭っているのかも…』『これって、詐欺なのかな…』と、不安に思われている方も、まずは一人で悩まずに、専門知識のある誰かに相談することをお勧めいたします。
また、対応処置や相談先を知っておくことによって、もしもの時にお役立ちいただけるかと思いますので、参考までに見ていただければと思います。
相談する際に、いくつか準備をしてから相談すると、話しがスムーズに運ぶかと思いますので、そちらも合わせてご紹介したいと思います。
相談する前に準備したいこと…
まず、サイト内の特定商取引法に基づく表記に記載されている、会社名や連絡先、会社の所在地のメモを取っておきましょう。
特定商取引法に基づく表記がない場合は、サイト名をインターネットで検索すると、会社の情報が載っている場合がありますので、お試しください。
また、出会い系サイトに支払いを行ってしまった際の、銀行振込明細や、クレジットカードの利用明細等がある場合は、整理をし、支払い期間や総額を出しておくことを、お勧めいたします。
あとは、『詐欺被害に遭ったかもしれない…』と思っても、すぐに退会はせず、そのままの状態を維持しておくことをお勧めいたします。
これは、サイトを退会してしまうと、実際にやり取りしていたチャット内のメッセージを見ることができなくなってしまうからです。
時間が経つと、メッセージを見ることができなくなってしまうケースもありますので、スクリーンショットや、写真に撮って残しておいていただくと、後ほど証拠として提出できます。
相談する際には、こういった情報を伝えることにより、的確なアドバイスをもらえやすくなりますので、ご準備のうえ、相談することをお勧めいたします。
相談先① 国民生活センター
国民の日常生活における、あらゆるトラブルについて、相談内容別でアドバイスをしてもらえる機関ですので、出会い系サイトの詐欺被害についての相談もできるところになっています。
また、国民生活センターのサイトには、最近の出会い系サイト詐欺被の被害事例もいくつか載っていますので、こちらも合わせてチェックしていただければと思います。
相談先② 警察総合相談センター
緊急性ない、日常生活のさまざまなトラブルの相談を、警察安全相談係員がアドバイスをしてくれる、相談窓口になります。
また、全国の警察本部に設けられている、サイバー犯罪対策課があり、サイトには、都道府県別の問い合わせ先の記載がありますので、ご自身のお住まいがある相談窓口にお問い合わせするのも、いいかと思います。
相談先③ 出会い系サイト詐欺に強い専門弁護士
『今迄に出会い系サイトに支払いを行ってしまった金額を取り戻したい』と思ったら、出会い系サイト詐欺の返金に強い、専門の弁護士にお願いすることにより、場合によっては、全額返金になるケースもあります。
ご自身でサイトの運営会社に返金の請求をしても、相手にしてもらえないことがほとんどです。
また、海外の運営会社の場合は、泣き寝入りするしかないケースもありますが、法律のプロである弁護士が間に入ることにより、相手方としっかり交渉することができるケースが、非常に高いです。
まずは、電話相談やメールでの問い合わせ等できる法律事務所に、気軽に相談してみるといいかと思います。
まとめ
今回は、異性や同性と出会いたい人や、副業として稼ぎたい人を陥れようとする、悪質な出会い系サイトについてお話ししましたが、いかがでしたでしょうか。
インターネットを経由して、気軽に出会える時代だからこそ、また、副業という働き方が当たり前になっている時代だからこそ、悪質な出会い系サイト詐欺に遭っている方が増えており、いつ自分が被害に遭うかわかりません。
詐欺被害に気付いた時が、相談する時だと思い、該当する相談先に問い合わせしてみましょう。
不安なお気持ちがあるようでしたら、まずは、お気軽にご相談ください。